ふって、ふって、幸せ探す☆わがまま王女daかぐや姫

登場人物
・かぐや姫
・翁
・媼
・貴公子1(石作皇子)
・貴公子2(車持皇子)
・貴公子3(阿倍御主人)
・貴公子4(大伴御行)
・貴公子5(石上麻呂)
・帝
・付き人
・月の人(複数人)
・飼い主



開幕

翁&媼、2人でお茶を飲んでいる。

翁「茶、おいしいなー。」
媼「そうですねー。」
翁「よし! そろそろ、わしは竹取りに行ってくるな。」
媼「はいはい。気をつけてくださいよ。」

翁、立ち上がって歩き始めると、かぐや姫がぶつかってきて、下敷きになる。

かぐや「キャー! 私の下で何をしてますの!! この変態!!! どいて頂戴!!」
翁「お前がどけや―――――!!!!!」
かぐや「大きな声を出さないで!!!」

かぐや姫、翁から下りてキョロキョロ

かぐや「ふーん。小さな家ねー。この私がこんな所に住まなきゃいけないわけ!」
翁「失礼だな!! 住めば都だぞ! って、えぇ~~~~~~!!!! 住むの!? 住むの!?」
かぐや「うるさいわね。そうやって言ってるでしょ!!」
翁「何で!!」
かぐや「知りたいなら、原作読みなさい!!!ドヤドヤッ」
翁「何だ!? そのドヤ顔は!!」
媼「しょうがないわ。だって、ただのコメディだもの!!!! ドヤドヤッ」
翁「お前も何のドヤ顔!?」
媼「ドヤドヤッ」

媼、翁に脇腹つんつん

翁「何やってんだよ。お前ぇ~!!(ハート)」

翁、媼にデコつんつん

媼「いや~ん」

かぐや姫、後ろで寝っ転がって

かぐや「暑いわね~。アイスを持ってきて~」
翁「くつろぐな~!!!!」
媼「そんな怒ったらダメよ。カッコいい顔が台無し」
翁「何言ってんだよ。お前~」

翁、媼にデコつんつん

媼「いや~ん」

かぐや姫、後ろで寝っ転がって

かぐや「ドライアイス!!!」
翁「くつろぐな!!」
媼「怒っちゃダメよ!!!」
翁「お前は、こいつが住んでいいのか?」
媼「・・・。嫌よ!! おじいさんとの2人っきりは誰にも邪魔させないわ!!」
翁「可愛いこと言うなよ~」

翁、媼にデコつんつん

媼「いや~ん」

かぐや姫、後ろで寝っ転がって

かぐや「液体窒素ぉぉぉぉおおおお!!!!!」
翁「よっしゃ! やるか!!」
媼「はい!!!」

貴公子や手の空いてる人たちが、行き交う。

翁&媼「ただいま、かぐや姫の大安売りで~す!!!」
翁「ちょいとそこのお姉さん。活きの良いかぐや姫があるよ!」
媼「いらっしゃい。まけとくよー。」
貴公子1「なんだ。あのじじぃ共・・・」
貴公子2「くるってんじゃねーの?」
貴公子3「キモ過ぎ・・・」

行き交う人々が悪口を言う。

媼「ダメだわ。おじいさん。誰も止まってくれないわ。」
翁「頑張れ! このマッチを売り切ったら、温かいスープが飲める。」
媼「でも。寒いわ。震えがとまらないの」
翁「頑張れ! そうだ、このマッチをすろう。少しだけなら、お母様も許してくれる。」

SE:シュッ(マッチをする音)
翁・媼、マッチの火を見つめる。

媼「あぁ。灯のなかに、おいしそうなスープが見えるわ。」
翁「灯の中に綺麗な女性が見えるぞ。うっひょー!! ええケツしてまんなー!!」
媼「変態!!」

媼、翁を殴る

翁「ぐへ!」
かぐや「そーいえば、液体窒素買ってきてくれたー?」

かぐや姫、出てくる。

かぐや「何やってんの?」
翁「いや。マッチ売りの少女を・・・ちょっと・・・」
かぐや「いや。世界観守ってよ!」

貴公子1~5「おぉ~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!
貴公子4「何あれ! あれがかぐや姫!?」
貴公子5「あんな可愛い子が大安売りなの!?」
貴公子1「持ってけ泥棒なの!!」
貴公子2「えっ! キツネにだまされちゃってんの!?」
貴公子3「違うぞ! まゆにつば塗っても冷めないぞ!」

貴公子1~5、必死にまゆにつばを塗る。

貴公子4「現実だ・・・・」
貴公子5「俺! 俺がもらう! かぐや姫は俺の嫁!!!」
貴公子1「はっ! 俺がもらう!」
貴公子2「俺が!」
貴公子3「俺が!」
貴公子4「俺が!」

貴公子1~5、口々に言い合う。

翁「じゃあ、俺が!」
貴公子1~5「どうぞどうぞ」
翁「なんでやねん!」
かぐや「っていうか! この私が、あなたたちのような“あはれ”な愚民と結婚するなんて、ちゃんちゃら“をかし”いわ!!」
貴公子1「えっ? 何、俺ら褒められてる?」
貴公子2「これがツンデレか~」
かぐや「ちがうわよ! べっ、別にあんたたちのことなんて、好きでもなんでもないんだからね!!」
貴公子1~5「おぉ~!!」
貴公子3「あっ! 今のくだりがよく分かんなかった人は、ちゃんと古典の勉強しろよ!」

貴公子3、客席に決めポーズ!

貴公子4「カッコつけんな!」
貴公子3「(かぐや姫に)どうでしたか!? 今の俺、カッコよかったッスか!!!」
かぐや「ああ。あはれだったな!」
貴公子3「褒められた~!!!」
かぐや「はぁ。分かったわ。これから言うものを持って来た人と結婚します。」
貴公子1~5「おぉ~~~~~~!!!!
かぐや「石作皇子は「仏の御石の鉢」、車持皇子は「蓬莱の玉の枝」、阿倍御主人は「火鼠の裘」、大伴御行には「龍の首の珠」、石上麻呂には「燕の産んだ子安貝」を持ってきなさい!!」
貴公子1~5「アンコール♪」
かぐや「えっ!? ちょっ・・・。コホン。石作皇子は「仏の御石の鉢」、車持皇子は「蓬莱の玉の枝」、阿倍御主人は「火鼠の裘」、大伴御行には「龍の首の珠」、石上麻呂には「燕の産んだ子安貝」を持ってきなさい!!」
貴公子2「(猫のぬいぐるみを抱いて)持ってきました!!往来を歩いてた、タマです!!」

飼い主、出る。

飼い主「うちのヒカルちゃんを返して!!」

飼い主、貴公子2を殴って、捌ける。

かぐや「タマじゃなくて、ヒカルちゃんだって・・・」
貴公子4「(猫のぬいぐるみを持って)龍の首輪のタマ、持ってきました!!」

飼い主、出る。

飼い主「うちのヒカルちゃんを返して!!」

飼い主、貴公子4を殴って、捌ける。

貴公子2「そのボケ、もうやった!」
貴公子4「くっそ―――――――!!!!!」
貴公子1「(仏の御石の鉢を持って)仏の御石の鉢、持ってきました!」
かぐや「おぉー! 本物だ!!」
貴公子1「当然ですよ! ちゃんとTS○TAYAで借りてきましたもん!」
かぐや「レンタル!?」
貴公子1「1泊2日です!」
かぐや「短ッ!!」
貴公子1「大変だ! もう返さないと延滞料金が!!」
かぐや「いってらっしゃい。」
貴公子3「(布を持って)火鼠の裘、持ってきました!!」
かぐや「(マッチで火をつけて)燃えるけど?」
貴公子3「スミマセンでした!!」
翁「姉ちゃん、良いケツしてまんなー」
媼「変態!!」
貴公子5「(燕の産んだ子安貝を持って)燕の産んだ子安貝、持ってきました!!」
かぐや「・・・。何かイヤ!!」
貴公子5「酷い!!!」

帝、走って登場、かぐや姫に飛びつく。

帝「オイラと結婚するノラ!!!!」
かぐや「嫌ッ!!」

かぐや姫、とっさに裏拳

帝「ぐへっ」
かぐや「あっ。誰?」

付き人、登場

付き人「帝!! 大丈夫ですか!?」
かぐや「帝!?!?!?」
帝「大丈夫じゃないノラ!! 責任をとって、結婚するノラ!!」
かぐや「喜んで!!」
全員「え~~~~~~~~~!!!!!!」
貴公子5「何で!?」
かぐや「だって、金あるし!」
貴公子1~5「最低だ!!」

SE:結婚式の曲(メンデルスゾーン・結婚行進曲)

付き人「それでは、誓いのキスです!」

舞台が光に包まれる。
ストップモーション
月の人出てくる。

貴公子1「誰だ!!」
月の人「月の者だ!」
月の人「かぐや姫を迎えにきた!!」
帝「駄目ナノラ!! かぐや姫はもうオイラのお嫁さんナノラ!!!」
かぐや「ではでは。皆様のことは、あの丸く優しく輝く月から、必ず見守っています。ありがとうございました。」
全員「えぇ~~~~~~~~!!!!」

暗転

翁&媼、2人でお茶を飲んでいる。

媼「2人だけになると、少しさみしいですね・・・」
翁「そうだな。かぐや姫がいると、にぎやかだった・・・」
媼「そうですね・・・」
翁「・・・・。よし!そろそろ、わしは竹取りに行ってくるな。」
媼「はいはい。気をつけてくださいよ。」

翁、立ち上がって歩き始めると、かぐや姫がぶつかってきて、下敷きになる。

翁「かぐや姫?」
かぐや「キャー! 私の下で何をしてますの!! この変態!!! どいて頂戴!!」
翁「おかえり。かぐや。」
媼「おかえり。かぐや。」
かぐや「ただいま。」
帝「オイラのお嫁さんが帰って来たノラ~~!!!」
貴公子1~5「かぐや~。」
付き人「ちょっと! 帝、勝手にどっか行かないで下さい!!」
月の人「ちょっと! かぐや姫、勝手にどっか行かないで下さい!!」

ごちゃごちゃしながら、

終幕



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