『新入会員と愉快な仲間たち』
著者:くうとん
登場人数:8人

大内先生
橋本彩花
伊藤百子(生前桃子)
山田美里
上田春菜
村山和樹
松浦雄斗
田中雅人

開幕
D.O
Susが点く。
Sus中には、百子がいる。

百子「悔しい・・・。何で死ななくちゃならないの・・・。折角、自分の居場所を見つけられたのに・・・。それに、約束したんだよ!! 同好会の皆と、絶対部活に上げ ようね。って。凄いでしょ? 人と仲良くなれなかった私が、約束できたんだよ。だから、悔しい・・・。死ぬのは悔しい・・・。」

Susが消える。
彩花以外が出る。
明かりが点く。

大内「今日は嬉しいお知らせと悲しいお知らせがあります。どちらから聞きたいですか?」
百子「じゃあ、ここは定石通り嬉しいお知らせから・・・。」
大内「なんと! 今日、新入部員が来ます!!」
全員「おぉ~!!」(大内以外)
雅人「キタコレーー!!」
和樹「まぁ僕らは所詮、同好会だから、新入部員じゃなくて新入会員ですけどね・・・。」
雄斗「細かいことは気にするなって。」
春菜「っていうか、その新入会員が入ったら、人数が揃うから部活に昇格じゃない?」
美里「ホントだぁ~!!」
雅人「俺ら日本文化振興同好会改め日本文化振興部、本格始動だぜ!! えいえいお~!!」
全員「えいえいお~!!」(大内以外)
大内「そしてここで残念なお知らせ。」
春菜「今ですか!!」
和樹「タイミング悪い。」
大内「部活になれば、予算が下りる~。」
全員「うんうん。」(大内以外)
大内「部活になれば、もっとたくさんのゲームが買える~。」
全員「うんうん。」(大内以外)
大内「部活になれば、荷物を置く部室ももらえる~。」
全員「うんうん。」(大内以外)
大内「だがしかし、俺は部活にはしない。」
全員「うんうっ。えっ!?」(大内以外)
大内「部活にするなら、俺は顧問を辞めます!!」
美里「どうしてですか?」
大内「日本文化振興同好会のような、トランプとか双六とかやっているようないい加減な同好会を部活にしては駄目だと俺は思う。」
和樹「ってゆうのは建前で・・・。」
大内「えぇ~。だって部活に昇格すると、予算管理とか部室管理とかめんどくさいじゃん。って、なに言わすんじゃ~。」
雄斗「なに聞かすんじゃ~。」
和樹「やっぱり・・・。」
雅人「自分がノリノリで喋っていたくせに・・・。」
大内「うるさい!! とにかく、部活にはあげないからな。」
美里「えぇ~。そんなぁ~。」
春菜「先生、お願いしますよ~。」
雅人「そんなことより、その新入会員って、女? 女!? 女!!」
雄斗「そうだそうだ、女か?」
和樹「女・・・。」
美里「男子、きも~い。」
百子「ってか、和樹むっつりぃ~。」
和樹「う”ッ・・・」
春菜「ちょっと雄斗、私という超可愛くて、優しくて、性格よくて、可愛くて、超Perfect Pretty Girlな彼女がいながら、なに期待しているのよ!!」
雄斗「ごめ~ん。春菜ぁ~。」
春菜「ううん、分かってくれたらいいのぉ~。」
雅人「ってか、図々しい!!」
和樹「初歩的なボケだけど、可愛いを2回言って、しかも、Prettyとも意味が被っているよ。」
春菜「分かっているわよ!!」
和樹「へぇ~。ほぉ~。」
春菜「なによぉ~。」
大内「とりあえず、女子生徒だ。」
男子「キター!!!」
女子「おい、男子!!!」
大内「お前ら・・・。」
雅人「デュフフ。俺の時代到来!!超可愛い新入会員と俺の超あまあまラヴ・ストーリー。デュフデュフ。」
美里「キモ~い!!」(スO-ドワOン風で)
春菜「っていうか、まだ可愛いかどうかは決まって・・・」
雅人「いるのです!!なぜなら・・・」
全員「なぜなら?」(雅人以外)
雅人「昨日、既に出会ってしまっているから!!なのです。」
全員「えぇ~!?」(雅人以外)
雄斗「どんな?どんな子!?」
和樹「うんうん。」
美里「雄斗、春菜の目が・・・。」
雅人「めっちゃ、可愛い子!!」

回想シーン 開始(雅人&美里)

雅人「あの、落としましたよ。」
美里「えっ。あぁ、ありがとうございます。」
雅人「いえいえ。」

回想シーン 終了

和樹「それ・・・、ハンカチ拾っただけだよな・・・。回想シーンの無駄使い・・・。」
春菜「っていうか。その子が新入会員かどうかなんて分からないわよね・・・。」
雅人「何を言っているのだ。ミス上田。こんなにラヴラヴな運命的な出会い。これはまさに、恋愛フラグ。その次の日にやってきた新入会員。これが同一人物でないと言 えるのだろうか? いや、言えない!これは、ラヴコメの王道中の王道。俺は主役だぁ~。春だぁ~。俺にも春が来たぁ~。」
和樹「そうだな。雅人の頭の中は春一色だな・・・。」



大内「あぁ~。皆の雰囲気は最早冬だな・・・。」
雄斗「うわッ。今先生、上手いこと言った~。って、思ったでしょ~。」
美里「それはないでしょ~。だって、全然上手くなかったもん。」
和樹「山田さん。雑巾持ってきて。」(桂歌O風に)
美里「はい。了解しました。」(山O隆夫風に)

美里、雑巾を持ってきて空間を拭くジェスチャーをする。

美里「うん。大内先生が汚した空気、当社比10%キレイになりました。」
雄斗「う~ん。これは上手いね。座布団1枚やろう」(桂歌O風に)
春菜「良かったですね。美里のおかげで、先生がすべったことにならなくて・・・。まぁ、代わりにあの人がすべっていますけど・・・。」
百子「本当ですよ~。」
大内「うるさい!! そろそろ新入会員の子に入ってもらうよ。彩花さん、どうぞ~。」

彩花、出る。

彩花「初めまして。橋本彩花です。よろしくおね・・・」
雅人「違~う!! お前は新入会員じゃな~い!!」
彩花「えっ、何!?」
百子「あの人は気にしなくていいわ。私は伊藤百子。よろしくね。」
彩花「いやぁ~!! おばけぇ~!! あっ、ごめんなさい。でも、なんでそんな格好・・・?」
百子「だって私、モノホンの幽霊だもん。」
彩花「いや~」
雄斗「大丈夫、俺がついてるから・・・。」
彩花「キャーーー!!」
春菜「ちょっと、私の彼氏、誑かさないでくれる?」
彩花「はぁぁぁん!?」
雅人「俺の春を返せ~~~~!!」
彩花「キャーーーーーー!!」
大内「まった、うるさい奴が入ってきたな・・・。」
彩花「ちょっと、うるさいってなんですか!?常識的にどう考えても、突然、幽霊とか、嫉妬女とか、季節を探す男とか、軟派なキモブサド変態勘違い男とかが襲ってきた ほうが悪いでしょ!!」
春菜「襲うなんて人聞きが悪いわねぇ~。」
雄斗「っていうか、俺の説明だけ異様に酷くなかったか?」
全員「気のせいだよ!!」(雄斗&大内以外)
大内「彩花さん、この同好会にいる間は常識に捕らわれるのはやめなさい。でないと、貴女は見つけられるものも見つけられなくなる。」
彩花「何よそのRPGで異世界にとばされて困惑している主人公が、初めて出会った村人の老女が言うような言葉は!! 冒険なんてしないからね!?」
和樹「えらい説明的なツッコミだね・・・。」
大内「まぁ、いいや。美里さん。俺は職員室に戻るから、適当に自己紹介終わらせて、活動始めといてくれる?」
美里「りょ~かいで~す。」

大内、捌ける。

BGM:楽しい曲

美里「はい。それでは今日の活動を始めます。まず初めは・・・。自己紹介から・・・。私は、山田美里で、この同好会の会長です。(以下、キャストにおまかせ)」
雄斗「俺は、松浦雄斗。(以下、キャストにおまかせ)」
春菜「私は、上田春菜。雄斗とは、これとこれの関係です。」

春菜、親指と小指を交互に立てる。

和樹「春菜、はしたないよ。僕は村山和樹・・・。」
百子「ご存じ、伊藤百子で、幽霊です。(以下、キャストにおまかせ)」
美里「はい。これでこっちの紹介はおしまい。次は、彩花の番だよ。」
彩花「私は橋本あ・・・」
雅人「俺を忘れてるぅ~!! 俺の名前は、田中雅人。(以下、キャストにおまかせ)」
美里「あっ、ごめんね。ドジしちゃった。じゃあ、今度こそ彩花。」
彩花「はい、私は橋本彩花です。(以下、キャストにおまかせ)」
美里「それでは、彩花に質問がある人ぉ~。」
雄斗「はい!! 彼女はいますか?」
彩花「えっ? いません・・・」
美里「そんなのいるわけがないじゃん。」
和樹「それはいくらなんでも失礼でしょ。彩花の顔面偏差値がそんなに高くないからって・・・。」
春菜「そっちの方が失礼でしょ!? 本音は人を傷つけるんだからね!!」
彩花「貴女もすごく失礼だからね!?」
雅人「ブ~ス。」
彩花「直接的過ぎる!! 今、さりげなく悪口言う時間でしょ!?」
雄斗「大丈夫。俺は結構好きだよ?」
春菜「雄斗!!」
雄斗「ごめんなさい。」
美里「まあ、うちはこんな感じでやっているから、早く慣れてね。」
彩花「えぇ、すっごく楽しい同好会みたいね。」
雅人「彩花も雰囲気をつかめただろうし、そろそろ活動しようぜ。」
美里「だめよ。まだ彼女がいないことしか聞けてないもん。っていうか、女子に彼女がいるわけがないから、実質、質問0だからね。」
雄斗「美里は同性愛を否定するのか~。なんて酷いんだ!! この世の同性愛の皆さんごめんなさい~。必ず必ず・・・・」(同性愛の皆さんへの謝罪等を後ろで言い続け る。)
美里「だから、もっと質問をしてからね。」
彩花「スルースキル、半端な!!」
雅人「分かったよ。好きな色は?好きな食べ物は?好きな動物は?」
彩花「えっと・・・。好きな色はピンクで・・・。好きな食べ・・・」
雅人「ピンクぅ~!? ピンクというのは、あの別名・桃色もしくは淡紅色のあのピンクかぁ~?」
彩花「えぇ、そうだけど・・・?」
雅人「ユキたんと同じじゃないか~!! やるな彩花!! ユキたん。萌え萌えでござるぅ~」
彩花「はぁ・・・。」

雄斗、後ろで言い続けることを止める。

雄斗「好きな歌手は?」
雅人「ユキたんに決まっているじゃないか~。」
春菜「好きな教科は?」
雅人「給食ぅ~!!」
春菜「雅人に聞いてない!!」
和樹「給食って、小学生かよ・・・。せめて弁当とかだろ・・・。」
彩花「私は~、生物かな?」
雄斗「うお~~~。有性生殖!!」
雅人「お・い・ろ・け」

2人「彩花、なかなか分かっているな」(雄斗&雅人)
彩花「別にそこは分かってないから!!」
雄斗「鋭いツッコミ。」
雅人「いい女になったなぁ~。」
彩花「はあ・・・」
2人「俺と付き合ってください。」
彩花「はあ!?」
雄斗「俺が先だぞ。」
雅人「いや、俺が先だったね。」
雄斗「んだと?だったら決闘だ!!」
雅人「ふん、しょうがねえ。女を取り合うのも、青春ってものだろ・・・。」
雄斗「彩花、君のために僕のすべてをささげます。」
雅人「君は太陽、俺は月。君がいなければ、輝くことができない。だが、今だけは君のために輝いてみせる。」(日食グラスをつけながら)

劇中劇(決闘・彩花&雄斗&雅人)
SE:西部劇(ガンマンVS保安官)の音(ヒュー、コロコロ)
BGM:西部劇風の音楽

雄斗「さあ、かかって来い。もしも、こられたらの話だけどな?」
雅人「ふっ、はっはっはっ。俺に触れると、かぶれるぜ!!」
彩花「汚!!毛虫!?毛虫!?」

劇中劇(修羅場・春菜&雄斗)
BGM:昼ドラ(修羅場シーン)

春菜「雄斗。私の前で浮気しようなんていい度胸ね。」
雄斗「ただの冗談だよ。」
春菜「冗談ですって!! ふざけないで!! あの目は、本気だったわ。あなたも結局は、私を捨てるのね。」
雄斗「違うよ。俺はお前一筋だよ。俺の瞳には、お前しか見えない。」
春菜「あなた・・・。」

劇中劇(井戸端会議・彩花&春菜&百子)
SE:喫茶店のベル(カランコロン)
BGM:喫茶店の店内で流れてそうな曲(クラシックとか)

春菜「って、いうことが、昨日会ってね。酷いと思わない?」
百子「もう、愚痴っていうから聞いていたら、結局ノロケじゃないの。うらやましいわ~。ねぇ。彩花さん?」
彩花「えっ? ええ・・・。」

美里「オッケェ~。これで、自己紹介も終わったし、活動始めましょうか。」
彩花「途中から、自己紹介じゃなかったんだけど・・・。」
雅人「よっしゃ~。やっとユキたんの写真集が見れるぅ~。デュフフ」
春菜「雄斗ぉ~。今日は何しよっか?」
雄斗「えっ、でも今日は彩花が初めてだし、皆であそ・・・」
春菜「私と彩花どっちが大事なの・・・。」
雄斗「さあ、どうだろう・・・」

春菜、雄斗をにらむ。

雄斗「もちろん春菜だよぉ~。」
春菜「じゃあ、何する?」
雄斗「春菜が決めていいぞ。」
春菜「いやん、雄斗が決めて。」
雄斗「ううん、春菜が・・・。」
春菜「いやん、雄斗が・・・。」
雄斗「じゃあ、同時に言おう。」
2人「せーの・・・」
雄斗「UNOぉ~。」
春菜「新婚さんごっこぉ~。」

同時に言う。

春菜「えっ。今なんて?」
雄斗「えっと、新婚さんごっこって、言ったよ・・・。」
春菜「ホントに!! 揃ったね!!」
雄斗「揃ったよ!! 流石俺たちの以心伝心!!My Honey!!」
春菜「おぉ~。Darling!!」
百子「じゃあ、私たちは何する?」
美里「私、トランプぅ~。」
和樹「トランプは、外国から来たゲームで日本文化じゃないんだよ・・・。」
美里「だから、日本文化振興はただのごまかしで、とりあえず楽しめればいいの!!」
和樹「ごまかしとか、酷すぎませんか?」
美里「何よ。いまさら・・・。」
百子「はぁ。私たちも何かしよっか?」
彩花「えッ、あのケンカは放置なの?」
美里「えっ、なに? キウイって、果物じゃなくて鳥のほうなの!?」
和樹「当たり前だろ。何聞いてたんだか・・・。」
美里「はぁ!? むっか~。」
彩花「何の話ッ!?ねえ、何の話!?」
百子「さぁ? そんなことより私たちも何かやろうよ。」
彩花「じゃあ、トランプでも・・・」
百子「双六やろ~!!」
彩花「うっ、うん。」
百子「それじゃあ、私からね。さいこっろころころ~♪」
雅人「やべぇ~。はみゅはみゅ。ユキた~ん。」
春菜「あなた、ご飯にする? お風呂にする? それともわ・た・し?」
雄斗「もちろん。お風呂さ!!」
春菜「えぇ~!! そんな~。ケチッ。」
雄斗「汚い体でベッドに入るわけには・・・」
和樹「イブの日、空いていますか」
美里「イブの日、相手いますが」
百子「ぷッ。彩花、1回休みぃ~。ざまぁ~。」
雅人「ユキた~ん。君は僕の太陽だぁ~。眩しい、眩しすぎるぜ!!」(日食グラスをつけながら)
春菜「あ~ん、あなた、忘れ物。」
雄斗「そうだな、行ってきますのちゅ~♪」
春菜「いや、鞄・・・。」
和樹「嘘だろ、聞き違いか!!地球が滅亡するなんて!!」
美里「うん、完全聞き違い・・・」
百子「あと少しで、上がりだぁ~。あれれぇ~。彩花ちゃんはまだそこかなぁ~?ぷぎゃ~!!」
雅人「ちゅーしない!!」
2人「けど!!」(春菜&雄斗)
2人「この恋に!!」(美里&和樹)
百子「中止ない!!」
彩花「もう、訳わかんない!! 何この同好会!!何あんたら!!頭おかしいんじゃないの!?こんな同好会、もうやめる。さよなら・・・。」

彩花、捌ける

雄斗「さ~て、一体どうするんだよぉ~~~~。」
雅人「大内も部活に上げないって言うし・・・。」
春菜「折角、揃った会員もいなくなっちゃうし・・・。」
3人「絶対絶命!!」(雄斗&雅人&春菜)
美里「大ピンチ!!」
雅人「あきらめるしかないのか~~~。」
和樹「嘘だろ・・・。」
百子「あきらめちゃ駄目だよ!! 折角、チャンスがめぐって来たんだよ。今までの私たちの苦労はなんだったの?ほら立って。さあ、あの夕日に向かって・・・」
全員「おぉ~~~~!!」
和樹「さて。でっ? どうするの?」
百子「さあ?」
雄斗「とりあえず、このプロジェクト名を決めようよ!!」
美里「どうすれば、大内先生を説得できる?」
雄斗「プロジェクト汗ばむ夏の夜ってどう?」
雅人「彩花は、何をすれば戻ってくるのかな?」
雄斗「プロジェクト野球部の部室ってどう?」
和樹「う~ん。難しいね・・・。」
雄斗「お~い。無視かぁ~。」
春菜「私は無視しないよぉ~。そうだな~。プロジェクトラブラブ雄斗&春菜ってどう?」
雄斗「やっべっ!! 日本文化振興同好会、プロジェクト・・・Pぃ~~~~!!」
全員「P?」(雄斗以外)
雄斗「プロジェクトのPぃ~~~~~!!」
全員「Pぃ~~~~!!」(雄斗以外)
雄斗「けって~い!!」
春菜「ところで、雄斗。今、私の言葉を聞いてあせって決めたように見えたんだけど・・・?」
雄斗「俺は存じ上げておりません・・・。そんなことのないように思われますが・・・。」
春菜「政治家か・・・。」
和樹「お2人さん。政治家に対する皮肉は、テレビのおじさん達の仕事だよ。」
百子「で? プロジェクト名決まっても、プロジェクト内容が決まってないんだけど?」
美里「じゃあ、作戦募集~。」
春菜「はい!! 彩花の弱味を握って、脅す!!」
美里「却下。流石にかわいそう。」
雅人「どうして同好会を辞めたのか、また、どうしたら戻ってくるかを調べる!!」
雄斗「いいねぇ~。採用。」
美里「じゃあ、大内先生は?」
和樹「弱味を見つける・・・。」
雄斗「おっけ~。採用!!」
百子「なんでいいの!?」
全員「大内先生だから!!」(百子以外)
百子「なるほど・・・。」
雄斗「じゃあ、大内チームの人ぉ~?」
2人「は~い」(雄斗&春菜)
2人「決定♪」(雄斗&春菜)
雄斗「じゃあ、彩花チームぅ~?」
3人「は~い」
春菜「あれ? 百子は?」
百子「忘れたの? 私はここから出られないの。」
春菜「ああ。そうだったね。」
和樹「じゃあ、お留守番ね。」
雄斗「それじゃあ、ミッション開始!!」
全員「おぉ~!!」

5人(百子以外)捌ける

百子「ふぅ~。皆頑張ってね。でも、部活に昇格したら、とうとう成仏か・・・。なんかちょっと寂しいな・・・。でも、約束は守らなきゃだしね・・・。」

彩花、出る

百子「あっ、彩花!!」
彩花「別に活動しに来たわけじゃないからね!? ただ退会届を出しに来ただけだからね。」
百子「そっか・・・。でも、受け取れないな・・・。どうして、辞めたいの?」
彩花「そんなの関係ないでしょ!?」
百子「関係ないけどさ・・・。気になるじゃん。」
彩花「別に。ここにいる意味がないと思っただけ。」
百子「彩花はさ。そもそも何でこの同好会に来ようと思ったの?」
彩花「それは・・・。」
百子「友達が欲しかったんじゃないの?」
彩花「勝手なこと言わないで!!私には友達なんていらないの!!」
百子「いらない? いないの間違えじゃなくて?」
彩花「えっ?」
百子「そんなの、友達がいないのを、自分が友達を望んでないだけだって、自分自身を誤魔化して楽をしようとしてるだけじゃない!!友達が欲しいのなら素直にそう言え ばいいじゃない!!」
彩花「うっ。」
百子「あっ、ごめん。同属嫌悪・・・。私もさ。どこにいたって、誰といたって。凄く浮いてた。誰とも、馴染めなかった。でもそういう事実を自分のせいにしたくなく て、私は友達なんていらないんだって誤魔化してた・・・。でも、心はいっつも寂しかった・・・。」
彩花「だから何?」
百子「それでさ。すっごく寂しくなった時に、偶然、この同好会に入ってさ。すっごい楽しかった!!あぁ。私の居場所はここなんだって、思えた。」
彩花「だから何?」
百子「彩花の居場所もここだよ!! 絶対に。」
彩花「勝手に決めないでよ!!」
百子「でも、楽しかったんでしょ!? そう言ってたじゃない。楽しいって感じたんなら、ここは間違いなく彩花の居場所だよ!!」
彩花「そんなの部活に上げたいだけでしょ!?」
百子「それもあるよ。だって約束したんだもん。でも、それだけじゃない。彩花には、死んでもこの世に留まりたいくらい楽しい思いして欲しいの。」
彩花「だから何で?」
百子「私に似てるから・・・。なかなか馴染めなくて、心閉ざしちゃうとことか・・・。」
彩花「似て無いよ!!」
百子「似てるって!!それでさ。私は、この同好会に入って変わったよ。同好会の皆とも仲良くなれたし。心、開いて、クラスの子たちとも積極的に話してさ。たっくさ ん友達出来たよ。」
彩花「・・・。」
百子「彩花も、きっと良い思い出が出来ると思うよ。日本文化振興同好会なら」
彩花「分かった。考えてみる。」
百子「うん。大丈夫!!」
彩花「でも、あんなこと言って飛び出していったのに、気まずくないかな?」
百子「大丈夫だって。あいつらアホだから。」
彩花「そっか・・・。じゃあ、明日ね。ありがとう!!」
百子「ううん。ありがとう。」

彩花、捌ける。

百子「ふう。私の明日か・・・。成仏って、おいしいのかなぁ~。なんちゃって。にしてもあいつら、いったい何処までいったんだ・・・。」

美里&雅人&和樹、出る。

雅人「彩花部隊、只今戻りました!!」
美里「ただいまぁ~。」
和樹「大内部隊、まだ帰ってきてない・・・。フッ、とろいな・・・。」

春菜&雄斗、出る。

春菜「私たちの~、LOVELOVEな、張り込みでぇ~。手に入れたこの写真!! 見たい? 見たくない? いや~ん。見せないゾ。」
雄斗「かなりいい写真撮れたよぉ~。これで、大内は~。」
2人「ピストル、バキューン。フッ!!」(春菜&雄斗)
美里「お疲れ様!!じゃあ、その写真見せてくれる?」
雄斗「了解!!」

雄斗、デジカメをとりだす。
全員、それを覗きこむ。

美里「すごい。これで大内先生を脅せるね!!」
雅人「ワロタ。ワロタ。バッカルコーン、ワロタ」
和樹「大爆笑・・・。」
2人「えっへん!!」(春菜&雄斗)
雄斗「っで? そっちは?」
美里「あの~。」
雅人「その~。」
和樹「この~。」
2人「どの~?」(春菜&雄斗)

劇中劇 開始(美里&雅人&和樹)

美里「先生!! 先生のクラスの橋本彩花さんって、どんな子なんですか?」
雅人「ごめんなさいね。あの子、影薄くて・・・。 君さぁ、橋本彩花さんが、前に所属していた吹奏楽部の子だよね?」
和樹「橋本彩花さん? ごめんなさい。知らないわ・・・。 君たちのクラスの橋本彩花さんって、どんな子ですか?」
美里「橋本・・・、あぁ。あの子、あんまり私たちと波長合わないのよねぇ~。いつも静かだし」
雅人「だからぁ~。」
和樹「知らないわぁ~。」
3人「ねぇ~。」(美里&雅人&和樹)

劇中劇 終了

雅人「結果!!」
3人「収穫なし!!」(美里&雅人&和樹)
春菜「偉そうにするな~!!」
3人「ギャフン!!」(美里&雅人&和樹)
雄斗「いやいやいや、おかしくね!! 彩花は吹奏楽部だったんだろ? だったら、なんでそんな扱いなんだよ?」
雅人「さあ? 俺は、ただ彩花は影が薄いんだろうなぁ~って」
和樹「そういえば、影が薄いだけにしては何かおかしいね。」
美里「もしかして・・・。もしかしてだけどさ・・・。いじめられてる。とか?」
雅人「うそっ!!」
雄斗「マジか!!」
美里「いじめられてるのなら、何かしてあげられることないかなぁ~。」
春菜「私たちに出来ることか・・・?」
和樹「あれ。百子どうかした?」
百子「いや~。影が薄いと影ふみ強いのかなぁ~?って。」
雄斗「何言ってんだよ!!」
百子「冗談よ。でも、もしいじめられてるにしても、私たちが何か出来るとでも?」
雄斗「それは・・・。」
美里「でも、私たちが心の支えになるとか・・・。」
百子「そんなのは、彩花がのぞんでこなければ、どうしようもないでしょ?」
雅人「だからって・・・」
百子「大丈夫!!彩花はきっと乗り越えられるはず・・・。待とう。彩花が来るのを。」
美里「そうだね・・・。じゃあ、今日の活動は終わります。」

5人、捌ける(百子以外)
百子は、舞台上から離れずに、隠れる。(寝る設定)
暗転

次の日
花道or室内に入る前or声だけetc舞台によって異なる。

彩花「よし!! 大丈夫・・・。わたしが、心を開けば・・・やっていける!! 私の居場所はここなんだ!!」
彩花「でも、やっぱり、気まずいなぁ~。なんて言おう・・・。」
彩花「こんにちは。昨日は、ごめんね。あのもう1回仲間に入れてくれないかな?」
彩花「固いかなぁ~。こんにちは。彩花だよぉ~。また来たゾ。」
彩花「流石にこれはないか・・・。じゃあ、橋本彩花、16歳!! 花の女子高校生やってま~す。はい拍手ぅ~!!」
彩花「って、これはお見合いだろ!! っていうか、合コンだろ!! もういい、なるようになれ!!」

彩花、室内に入る。

彩花「橋本彩花が戻ってきてやったぞ。感謝して、ひれ伏すんだな!!」
彩花「じゃね~。完全間違えたぁ~~~~!!」



彩花「って、誰もいない・・・。」



彩花「はぁ・・・。結局、私は置いてけぼり・・・。何処にいても馴染めないんだな・・・。」



彩花「やっと、やっと居場所を見つけたと思ったのに・・・。」



彩花「吹奏楽部でもクラスでも何処でも・・・
   橋本彩花?誰それ?そんな子いたっけ?
   いたよ~。
   ごめん、覚えてないや!!
   あれぇ~。何か聞こえるはずのない言葉が聞こえるぞぉ~。
   ほんとだ~。
   キモイんだよ!!
   うざいんだよ!!
   お前がいなくても誰も悲しまないんだよ!!
   むしろ皆、喜ぶよ。
   言えてる~。
   アハハハハハハハハハハハ・・・。」



彩花「どうして・・・。どうして私を忘れるの!! 私を無視するの!! 私をいじめるの!! 私の何が悪いの!? 私の何処が悪いの!? 私は、消えてしまったほうがいいの ・・・?」



彩花「皆が悪いの?
   分からない
   私が悪いの?
   分からない
   誰が悪いの?
   分からない
   もうイヤ―――――――――――――――――」

暗転
彩花にサスを当てる。

彩花「もう嫌!!もう嫌!!もう嫌!!もういい!!もういい!!もういい!!どうでもいい!!私がいない方が、皆笑顔なんだ。」
百子「そんなことない!!」
彩花「私がいない方が、皆笑顔なんだ。」
雄斗「そんなことない!!」
彩花「私がいない方が、皆笑顔なんだ。」
美里「そんなことない!!」
彩花「私がいない方が、皆笑顔なんだ。」
雅人「そんなことない!!」
彩花「私がいない方が、皆笑顔なんだ。」
春菜「そんなことない!!」
彩花「私がいない方が、皆笑顔なんだ。」
和樹「そんなことない!!」
彩花「私なんか消えてしまえばいいんだ。」
全員「そんなことない!!」(彩花以外)

明かりがつく

全員「ただいま」(彩花以外)
美里「彩花。そんな風に思っていたんなら言ってくれれば良かったのに。」
雄斗「そうそう。言ってくれたら、この俺が・・・。」
春菜「雄斗!! 彩花があんな状態まで落ち込んじゃったのは、あんたのせいでもあるでしょ!!」
雄斗「はぁ!? 俺は関係ねぇ~。」
雅人「そんくらいにしろよ。」
和樹「うわ~。雅人に諭されるとか、お前ら終わりだよ・・・。」
3人「うるさい!!」(雄斗&春菜&雅人)
百子「どう? この同好会なら、彩花の居場所ありそう?」
彩花「どうかな・・・。分からない・・・。でも、皆がケンカしているの見てるのはちょっと楽しいかも。」
雄斗「ケンカしているの見ていて楽しいとか、彩花はSか!?」
春菜「だったら丁度いいよ。この同好会は、MばっかりでSが全然いないんだもん。」
和樹「春菜って、Sじゃなかったの!?」
春菜「どういう意味!!」
美里「彩花がここに居たいかは、分からないけど、私は彩花にいてほしいな。Sが欲しいっていうのもあるし、部活に上げたいってのもあるけど、やっぱり1番は、楽し かったよ。彩花がいてくれると。」
雄斗「分かる。俺らのボケが生きるようなツッコミをしてくれるよな。彩花は・・・。それに比べて和樹は・・・。」
和樹「ごめんね。ツッコミが下手で・・・。」
彩花「私、もう1度、日本文化振興同好会にはいります!!」
全員「やった~」(彩花以外)
雅人「これで部活昇格ぅ~。ゲッツ!!」
和樹「古いね。」
美里「ねえねえ。部活に昇格したら新しいゲームを部費で買おうね。」
雄斗「俺、囲碁やりたい!!」
和樹「古いね。」
美里「じゃあ、私、貝合せぇ~」
和樹「古いね。」
雅人「俺はwiiを買う!!」
和樹「ちょっと、今古い奴を言ってくコーナーなんだけど。」
彩花「あっ!!私ファミコン!!」
和樹「やった!!古いねぇ~」
美里「思えばここ2日間、壁にぶつかり、部活に昇格することが出来ないのではないかとも思われてきた私たちですが、1つ1つ確実に壁を乗り越え、また壊し、ここま で来ることができました。それでは、日本文化振興部。完全始動です!!乾杯!!」

暗転。
すぐに明かりをつける。
色々な照明を点けたり消したり、色を変えたりする。

美里「なにっ!?」
雅人「なんだ!?」
春菜「こわ~い。」
雄斗「大丈夫。俺がついている。」
和樹「余計心配でしょ・・・。」
百子「皆、今まで言ってなかったけど、私のこの世に留まっていた理由、未練はこの同好会を部活に出来なかったこと・・・。だから、部活になった今、私は成仏する。 」
美里「そんなのダメだよ。これからも、一緒に活動しようよ。ゲームしようよ。いっぱい話そうよ。遊ぼうよ。」
春菜「百子がいなくなるんなら、部活になんてあげなくていい。部費なんていらない。」
百子「ダメ!!」
雅人「なんで!? 百子はこの同好会にもういたくねーのかよ!?」
百子「いたくないわけないじゃん!!今までこの場所で活動してきて、たくさん思い出が出来て、たくさん笑って、たくさん泣いて・・・。楽しかった。寂しいよ。でも、 約束したの。絶対にこの同好会を部活に上げようねって。」
和樹「でも、百子と離れたくない・・・。」
雄斗「しょうがないんだな。」
百子「えぇ。しょうがないの。私がここにいたのは、部活に上げるためだもん。」
彩花「やっぱりそんなの嫌だ。私が来たせいで、百子さんと皆が離れるのなんて嫌だ!! おかしいよ!! 私やっぱり辞める!!」
百子「折角見つけた居場所でしょ? 私の居場所はここじゃない。良かったよ、同好会、最後の新入会員が彩花で・・・。おかげでちょっとドラマチックでしょ?」
女子「百子」
男子「百子」
百子「もっと喜んでよ。長年の未練が果たせるんだよ。それじゃあね。」

暗転
SSを点けて、その方向に歩いていく。
明かりがつく。

春菜「百子~。ももこぉ~!!!!!!!!」
雄斗「春菜。百子の決めたことだし。笑顔で送ってあげようよ。」
春菜「うん・・・。」
美里「百子・・・。」
彩花「初めて友達が出来たと思ったのにな・・・。」
雅人「ほら。百子が残してくれたんだぜ。部活だよ。部費だよ。部室だよ。」
和樹「そうだよね。百子が残してくれた。」
美里「よし、頑張ろう!!」
春菜「うん。百子の意思を継いでね。」

しっかり余韻を持たして。

雄斗「よ~し。日本文化振興部。本格始動だ~~~~~!!」
全員「おぉ~~~~~!!!!!!」
大内「ちょっと待った!!」

大内、出る。

大内「この俺を忘れてもらっちゃあ、いけませんでぇ~。さっきも言ったが、もう度言ってぇ~やるから耳の穴かっぽじってぇ~よう聞きやがれ。俺は、部活に上げるん なら顧問を降ります。どうしても部活にしたいんなら、他の顧問を見つけてください。」
雄斗「まじで空気読めよ!!」
和樹「そういう雰囲気じゃないでしょ。」
全員「はあ・・・」(大内以外)
美里「ふっふっふっ、ご心配には及びません。大内先生・・・。」
大内「何だよ。その不敵な笑い方、ちょっとキモい・・・。もう他の顧問決まったのか?」
雅人「いえいえ。しかし、すぐに先生が引き受けてくださると、存じますが?」
大内「へぇ~。誰先生だ?」
和樹「ご冗談を・・・。大内先生が。に決まってるではないですか?」
大内「それこそご冗談だろ!? 俺は受けないって・・・。」
春菜「この写真を見ても?」

SE:デカデカデカ♪デンッ♪

彩花「じゃん、じゃっじゃ~ん。」

彩花、写真を取り出す。(この劇で一番受ける写真を用意してね。小道具さん)

大内「うわぁ~。それはぁ~。分かった。やります!!やりますからぁ~。」
春菜「やった。」
美里「それじゃあ先生、部活引き上げ宣言してください。」
大内「日本文化振興同好会を部活に引き上げることを、ここに宣言する。」
全員「やったぁ~~~~」
雅人「見ててくれよ~~~~。百子」
雄斗「もっと楽しい」
春菜「もっと面白い」
美里「もっと大切な」
和樹「部活に」
彩花「絶対してみせるからね~。」
大内「んっ? 百子は何処にいったんだ?」
雅人「成仏しちゃいました・・・。」
大内「じゃあ、今は1人減って、6人・・・。部活から同好会へ降格します。」
雄斗「うわぁ~。しまった~。」
美里「百子~。もどってきて~。」
雅人「気がはやいぞ~。」
和樹「お~い。」
春菜「うっわ、最悪。」
彩花「百子、帰ってきて~。」



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